Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はなばなしきしゅんかん

華々しき瞬間

久坂 葉子

Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme

Aozora Bunko

――とうとうやって来た、南原杉子。どうにかうまくゆくだろう。しかし僕はびくびくなんだ――

――どんな方かしら、きれいな方らしいけど、夫が今まで私に黙っていた人。夫のまるで関心のない人にちがいないけど――

ドアがあいた。

「待ってたよ。おそかったね。仁科君の奥さんも来てられるんだよ」

蓬莱建介である。彼は誰よりもはやく、殆どドアがあいた時に、入口の方へちかよって行った。蓬莱和子の視線。のりだすように、こちらをみている着物の婦人。仁科六郎はうつむいている。南原杉子は、自動車を降りた途端、まるで阿難を葬っていたのだが、胸にはげしい鼓動を感じた。蓬莱建介は、奥の方へ背中をむけ、南原杉子を、ほんのしばらくかばってやっていた。彼の愛情である。

「さあ、はやく、はじめてるんだぜ」

南原杉子は、蓬莱建介に、まず無言のうちに諒解したというまなぎしを与えて、正しい姿勢で奥へはいった。それまで、いつもの饒舌を忘れていた蓬莱和子は、たち上ると、

「お杉。何故、おそかったの、さあさ、六ちゃんの奥様よ」

蓬莱和子は、夫の南原杉子に対する好意的な行為を、何か意味あるものととった。