Japanische Klassiker mit Furigana
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はなばなしきしゅんかん
華々しき瞬間
久坂 葉子
Lesen Sie 華々しき瞬間 (はなばなしきしゅんかん) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.114 Zeichen · 92 Bildschirme
そして真珠の首飾りを無意識につかんだ。
「南原でございます」
仁科たか子は、たち上ってしずかに会釈した。南原杉子は、仁科たか子をみなかった。そして傍の仁科六郎をもみなかった。
「南原女史、さあ」
蓬莱建介は、シャンパンをいさましくぬいて、最初にカットグラスを彼女の手に渡した。彼女はそれを手にして、あいている椅子に腰かけた。それは、四人の視線をまっすぐにうける中央のソファであった。南原杉子の手は、かすかにふるえていた。蓬莱建介は、なみなみとシャンパンをつぎながら、注ぎ終えても、しばらくそのままの恰好で、南原杉子がおちつくのを待ってやった。
「おい、レコードをかけろよ」
蓬莱和子は、南原杉子の衣裳をほめながら蓄音器に近づいた。
「ジャズがいいわね」
「『いつかどこかで』をかけろよ」
「あら、思い出があるの?」
その時、南原杉子は、はっきりと南原杉子になっていた。
「あるのよ、御主人との思い出よ。私が、ホールでうたっていた時、御会いしたのよ」
仁科六郎は驚いた表情で南原杉子をみた。
「私ね。パートナーと踊りに行って酔っぱらったから、舞台にあがっちゃったの」
「いつかどこかで」