Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

Lesen Sie 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) von 小山 清 (こやまきよし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.741 Zeichen · 486 Bildschirme

Aozora Bunko

「お店の御都合が悪い?」

振りむいた顔も声も平静なので、なにやらほっとして、

「そうだね。いってもいいが、どこへ行く?」

彼女もすぐ笑顔になって、

「あたし、ねえ、まだ日光を見たことないの。」

そう云う彼女は小学校の女生徒のように思われた。

「僕も見ていないんだ。じゃ日光へ行くか。」

「連れていってくれる。」

そうして彼女ははにかんだ口調で云った。

「日光を見ないうちは、結構って云うなって云うでしょ。」

その日私は頭から足のさきまで、店の主任の服装を借着して出かけた。彼女は上にコートを着て、頭は初めて見る洋髪に結っていた。なにかぴったりした感じだった。よく似合う、と云ったら、私の借着の背広姿をほめて、髪をのばして分けたらいいと思うと云った。日光に着いてすぐ東照宮へゆき、案内人に説明してもらいながら見て廻った。陽明門の前では、彼女は感嘆の声をもらし、満足の表情でしばらく佇んでいた。私たちは湯元へ行って一泊するつもりであったのだが、東照宮で手間どって、中禅寺湖に着いたのは、湯元行の最終バスが出発した直後であった。しかたなく湖畔の宿屋に泊った。宿帳に私は新聞販売業としるし、彼女のことは、妻すみとしるした。