Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おちばのとなり
落葉の隣り
山本 周五郎
Lesen Sie 落葉の隣り (おちばのとなり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.877 Zeichen · 57 Bildschirme
「かあちゃんが死んだの」とおひさは前掛で顔を掩い、泣きだしながら云った、「かあちゃんが死んじゃったのよ」
繁次は口をあいたが、すぐには言葉が出なかった。彼はおひさの肩へ手をやり、するとおひさは躯ごと凭れかかった。前掛で顔を掩ったまま、彼の胸へ凭れかかって、うっ、うっと咽びあげた。
「どうしたんだ、いつ死んだんだ」
「昨日が初七日だったの」
「知らなかったな、病気だったのか」
「十日ばかり寝ただけ」とおひさが答えた、「寝て二三日すると頭がおかしくなって、死ぬときにはわけがわからなくなっていたの」
「ちっとも知らなかった、たいへんなことになっちゃったな、それは」
おれはまぬけなことを云うぜ、繁次は自分に舌打ちをした。凭れているおひさの躯が、触れているところだけ熱いように感じながら、悲しいような気分さえ起こらない自分が、恥ずかしくなるばかりだった。
「あたしどうしよう、繁ちゃん」おひさは咽びあげながら云った、「あたしどうしたらいいかしら」
「どうするって、なにを――」
おひさは急に躯を固くした。繁次はその躯を押しはなして、顔を覗きこみながら、どうかしたのか、なにか心配なことでもあるのか、と訊いた。