Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おちばのとなり

落葉の隣り

山本 周五郎

Lesen Sie 落葉の隣り (おちばのとなり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.877 Zeichen · 57 Bildschirme

Aozora Bunko

その前後から、参吉の家がうまくいっていない、というような噂を聞くようになった。祖父の伴れこんだ女はおみちといい、もう四十を越していた。はじめ「一年も続くかどうか」といわれたくらいで、こんな裏長屋にはそぐわないようなあだっぽい女だったが、茂兵衛との仲もいいし、四十を越したとは思えないほど、いまでも若わかしいいろけをもっていた。噂のたねはそのおみちで、参吉とあやしいから茂兵衛がやきもちをやくとか、参吉がおみちを追い出そうとしているとか、まったく反対な陰口が弘まっていた。

「茂兵衛さんはもう八十だろう」という者があった、「女のほうは四十を出たといっても、あのとおりいろけたっぷりだからな、おまけに参吉のやつがまたいい男ときてるんだから、無事におさまってくわけがねえや」

「あのひと毎晩のようにせっつくんですってよ」という女房もいた、「それではおじいさんの躯がたまらないだろうって、参吉さんが出てゆけがしにするのよ、なにしろおじいさん孝行な子だったものね」

繁次はどっちの噂も信じなかった。

――参吉にはおひさがいる。

あんな女に関心を持つ筈はない、あいつの頭は仕事のことでいっぱいなんだから。