Japanische Klassiker mit Furigana
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あしぶえ(ひとまく)
葦笛(一幕)
宮本 百合子
Lesen Sie 葦笛(一幕) (あしぶえ(ひとまく)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.908 Zeichen · 20 Bildschirme
小川の岸に来てしまった。
精女 恥かしいんでございますワ!
ペーン シリンクス、美くしい!
精女は水煙をたてて川に飛び込む。小さな泡が二つ葦の根にうく。
ペーン オオオ、シリンクス、お前は!
しぼる様な細い声で云う。まわりの葦にひびいて夢の歎きの様な好い音を出す。ペーンはそれをジッとききながら、
ペーン アア、あの響が……シリンクスの姿に似た響があの美くしさのせめてもの形見になるのだ。一生死ぬまでこの響を聞いて居なくっちゃ私はあの美くしかった精女にすまない……
ペーンは葦を切ってつたでからげてその先に唇をあてて響を出す。
ペーン あああのシリンクスの心が音にささやく、あの精女の姿がうき出して来る、――シリンクスの笛――それでいい、私のシリンクスを思ったほどに……あの美くしい姿は美くしい響になって残ってしまった!
夢の様な、歎く様な細い声に川辺にすわったまんま吹きならす。
幕。