Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いっぺいそつ

蒲団・一兵卒

田山 花袋

Lesen Sie 蒲団・一兵卒 (いっぺいそつ) von 田山 花袋 (たやまかたい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.948 Zeichen · 59 Bildschirme

Aozora Bunko

ここだなとかれは思った。とにかく休息することができると思うと、言うに言われぬ満足をまず心に感じた。静かにぬき足してその石階を登った。中は暗い。よくわからぬが廊下になっているらしい。最初の戸と覚しきところを押してみたが開かない。二歩三歩進んで次の戸を押したがやはり開かない。左の戸を押してもだめだ。

なお奥へ進む。

廊下は突き当たってしまった。右にも左にも道がない。困って右を押すと、突然、闇が破れて扉があいた。室内が見えるというほどではないが、そことなく星明りがして、前にガラス窓があるのがわかる。

銃を置き、背嚢をおろし、いきなりかれは横に倒れた。そして重苦しい息をついた。まアこれで安息所を得たと思った。

満足とともに新しい不安が頭を擡げてきた。倦怠、疲労、絶望に近い感情が鉛のごとく重苦しく全身を圧した。思い出が皆片々で、電光のように早いかと思うと牛の喘歩のように遅い。間断なしに胸が騒ぐ。

重い、けだるい脚が一種の圧迫を受けて疼痛を感じてきたのは、かれみずからにもよくわかった。腓のところどころがずきずきと痛む。普通の疼痛ではなく、ちょうどこむらが反った時のようである。