Japanische Klassiker mit Furigana
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がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lesen Sie 蒲生氏郷 (がもううじさと) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.772 Zeichen · 128 Bildschirme
それでも先々女房には化粧をさせたり、子供には可憐な衣服をさせたりして、親父殿も晩酌の一杯ぐらいは楽んでいられて、ドンドン、ジャンジャン、ソーレ敵軍が押寄せて来たぞ、酷い目にあわぬ中に早く逃げろ、なぞということは無いが、永禄、元亀、天正の頃は、とても今の者が想像出来るような生優しい世では無かった。資本主義も社会主義も有りはしない、そんなことは昼寝の夢に彫刻をした刀痕を談ずるような埒も無いことで、何も彼も滅茶滅茶だった。永禄の前は弘治、弘治の前は天文だが、天文よりもまだ前の前のことだ、京畿地方は権力者の争い騒ぐところで有ったから、早くより戦乱の巷となった。当時の武士、喧嘩商買、人殺し業、城取り、国取り、小荷駄取り、即ち物取りを専門にしている武士というものも、然様然様チャンチャンバラばかり続いている訳では無いから、たまには休息して平穏に暮らしている日もある。行儀のよい者は酒でも飲む位の事だが、犬を牽き鷹を肘にして遊ぶ程の身分でも無く、さればと云って何の洒落た遊技を知っているほど怜悧でも無い奴は、他に智慧が無いから博奕を打って閑を潰す。戦ということが元来博奕的のものだから堪らないのだ、博奕で勝つことの快さを味わったが最期、何に遠慮をすることが有ろう、戦乱の世は何時でも博奕が流行る。