Japanische Klassiker mit Furigana
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やぶのうぐいす
藪の鶯
三宅 花圃
Lesen Sie 藪の鶯 (やぶのうぐいす) von 三宅 花圃 (みやけかほ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.356 Zeichen · 65 Bildschirme
第三回
あからさまによめ入らん方ぞしかるべき。泰西諸国にては。公然に再縁してはじざるときくものを。何をくるしみてか。松ならぬ木を松めかして。時ならぬ寄生木の生い出でけん折。色かえぬ操の名にも似ず。顔に紅葉するははずかしからずや。
第三回
巍々たる高閣雲に聳え。打ち繞らしたる石垣のその正面には。銕門の柱ふとやかに厳めしきは。いわでもしるき貴顕の住居。主人の公といえるは。西南某藩の士にして。維新の際人に勝れたる勲功のありし由は。門に打ちたる標札に。従三位子爵某と昨日今日墨黒に書きたるにても知りぬべし。さればその昔し尊王を唱え攘夷を説き。四方に奔走せし折は。西洋文明の国々をも。醜夷と卑しめ黠虜と罵りし癖の。いま開明の世運に際するも。まだぬけかねたるを。同じ藩士にて。今内閣に時めきたる親しき人々が。かくてはついに世の風潮に後るべし。官職を帯びて洋行し。西洋各国を巡視せば。必ず悟るところあるべしとの勧めにより。一歳欧州に遊歴せしに。帰朝の後は打って変りたる洋癖家となり。わが国の食物は衛生に害ありとて。もっぱら西洋の割烹を用い。家屋も石造玻窓にかぎり。衣服は筒袖布ならでは着するを厭い。