Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐびじんそう
虞美人草
Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme
「そりゃね。約束があっても無くっても、一ならやっても好いんだが、あれも外交官の試験がまだ済まないんだから勉強中に嫁でもあるまいし」
「そりゃ、構わないです」
「それに一は長男だから、どうしても宗近の家を襲がなくっちゃならずね」
「藤尾へは養子をするつもりなんですか」
「したくはないが、御前が母かさんの云う事を聞いておくれでないから……」
「藤尾がわきへ行くにしても、財産は藤尾にやります」
「財産は――御前私の料簡を間違えて取っておくれだと困るが――母さんの腹の中には財産の事なんかまるでありゃしないよ。そりゃ割って見せたいくらいに奇麗なつもりだがね。そうは見えないか知ら」
「見えます」と甲野さんが云った。極めて真面目な調子である。母にさえ嘲弄の意味には受取れなかった。
「ただ年を取って心細いから……たった一人の藤尾をやってしまうと、後が困るんでね」
「なるほど」
「でなければ一が好いんだがね。御前とも仲が善し……」
「母かさん、小野をよく知っていますか」
「知ってるつもりです。叮嚀で、親切で、学問がよく出来て立派な人じゃないか。――なぜ」
「そんなら好いです」
「そう素気なく云わずと、何か考があるなら聞かしておくれな。