Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Lesen Sie 虞美人草 (ぐびじんそう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.559 Zeichen · 401 Bildschirme

Aozora Bunko

あなたは私が家にいるのを面白く思っておいででなかったでしょう。だから私が家を出ると云うのに、面当のためだとか、何とか悪く考えるのがいけないです。あなたは小野さんを藤尾の養子にしたかったんでしょう。私が不承知を云うだろうと思って、私を京都へ遊びにやって、その留守中に小野と藤尾の関係を一日一日と深くしてしまったのでしょう。そう云う策略がいけないです。私を京都へ遊びにやるんでも私の病気を癒すためにやったんだと、私にも人にもおっしゃるでしょう。そう云う嘘が悪いんです。――そう云うところさえ考え直して下されば別に家を出る必要はないのです。いつまでも御世話をしても好いのです」

甲野さんはこれだけでやめる。母は俯向いたまま、しばらく考えていたが、ついに低い声で答えた。――

「そう云われて見ると、全く私が悪かったよ。――これから御前さんがたの意見を聞いて、どうとも悪いところは直すつもりだから……」

「それで結構です、ねえ甲野さん。君にも御母さんだ。家にいて面倒を見て上げるがいい。糸公にもよく話しておくから」

「うん」と甲野さんは答えたぎりである。

隣室の線香が絶えんとする時、小野さんは蒼白い額を抑えて来た。