Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じゃせいのしゅうねん
蛇性の執念
大倉 燁子
Lesen Sie 蛇性の執念 (じゃせいのしゅうねん) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.981 Zeichen · 38 Bildschirme
半年ばかり会わなかった間に、綾子さんは見違えるほど面瘻れして、大きな眼がますます大きく、ふっくりしていた頬の肉もすっかり落ちて、何となく老けました。美しい人の疲れたのはまた風情のあるものですが、ダリヤのように濃艶だった綾子さんが、まるで夕闇に浅黄桜を仰ぎ見るような物寂しさに変っては、風情があるなどと云ってはいられません。最初病気かなと思いましたが、そうでもなさそうです。しかしどうにも新婚の人らしくは見えません、晴れやかさもなければ、元気もない。ただ淋しい陰に全身を包まれ、浮き立たない頬に強いてほほ笑みを見せているのを見ると、私までが引き入れられて、気が滅入ってしまうような感じがいたします。陰気な花嫁さんだと思わず心でつぶやきました。
綾子さんは口数も少なく、島田に結った小間使がお茶を運んだり、お菓子を持って来たりするのを眺めていましたが、
『ベルを押すまで、誰も来ないでおくれ』
と云って小間使を退けてしまいました。さて二人ぎりになると急に態度が変って、綾子さんは自分の感情を率直にあらわして、やる瀬ない悲しさを訴えはじめるのでした。私はお祝いを述べるより先に、慰めの言葉を探すのに、骨を折らなければなりませんでした。