Japanische Klassiker mit Furigana
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じゃせいのしゅうねん
蛇性の執念
大倉 燁子
Lesen Sie 蛇性の執念 (じゃせいのしゅうねん) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.981 Zeichen · 38 Bildschirme
それを見破って夫人は棄鉢に強くなって、もう脅迫などには負けていませんでした。それで彼はあきらめて印度へ帰りました。その後今日まで行方を晦していたのだというのです。
『それだけの大罪を犯しても刑務所へは行かなかったのですか?』
『大奥様の外はどなたも御存じございませんもの』
『夫人はそれをどなたにもお打ち開けにならなかったんですか?』
『お身のお耻、お家のお耻とお考えになったんでございましょう。ジッとお胸にお納めになってどなたにも仰しゃらず、一生苦しんでつまり悶え死遊ばしましたようなものでございます』
『そう仰しゃれば、武雄さんはどこやらあのお写真に似たところがありますね』
『はい。それを大奥様が苦に遊ばしましてね――』
『男爵はその事を御存じだったのですか?』
『いいえ。大旦那様は何も御存じございません。武雄様は御自分のお子さんだと思召していらっしゃいました』
『そう伺うと文夫さんの事もよく分りますが、しかしまだ叔父様が、確かに手をお下しになったという証拠があると申すわけには参りませんね』
『でございますが――、私には前と手口が同じなので、それに相違ないと思われるのでございます。