Japanische Klassiker mit Furigana
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たんぱくせき
蛋白石
宮本 百合子
Lesen Sie 蛋白石 (たんぱくせき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.056 Zeichen · 25 Bildschirme
だまって自分の古い思い出をたどって居た肇は今にも涙のこぼれそうな声で云った。
「もう四月も過ぎますねえじきに――」
「そうですねえ、
桜も散りました、
タンポポだってフワフワ毛になるに間もありますまい。」
千世子はいつの間にか大変デリケートな気持になって居た。
も一度心の中で繰り返した。
「タンポポだってフワフワ毛になるに間もありますまい。」
そしてそのかなり調子のなだらかな言葉を自分の髪の中に編み込む様に耳を被うてふくれた髪を人指指と拇指の間で揉んで居た。
のけものにされた様にして居た篤は千世子に髪の結い方をきいた。
「何んになさるんです?
私の髪なんか。」
「何て事はないんですけど、
あんまり見ない形だから。」
「そいじゃあそのまんまにして置いた方がようござんすねえ。」
千世子は人の悪い笑い様をして話そうともしなかった。そして足をコトコト云わせながら低く子守唄を歌った。
「いかにも子守唄らしい歌ですねえ、
むずかしいんですか?」
肇はしずかに云った。
「いいえ何んでもないんですよ、
教えてあげましょうか。」
「でも駄目らしゅうござんすねえ、
まるで素養がないんですもの。