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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばんじん

蛮人

山本 周五郎

Lesen Sie 蛮人 (ばんじん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.726 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

「きゃつは気狂いだ」

やがて一人が低く呟いた、

「そんなものを独りでこそこそ見るなんて、どういうつもりかわけが知れねえ」

「だが気をつけなくちゃいけねえ、きゃつはそのうちに何かしでかすぞ」

「みんなでよく見張るんだ」

と別のが誰のほうをも見ずに云った、「それから、女房たちにもきゃつの側へ寄らねえように云わなくちゃいけねえ」

それはお房の軽はずみな態度を云っているのであった。茂吉は重たく眼を伏せながら足の爪先で地面の灰を掻いていた。

その夕方。仕事をしまってから彼は工場裏の自分の鶏舎の前へやって行った。この頃めっきり衰弱した老鶏は、自分の体にわいた羽虫をせせる元気もなく、隅のほうにじっと居竦んで白い目蓋を閉じたり明けたりするばかりである。

「こここここほらよ」

彼は飯粒を投げながら呼んだ、「こここここほらよ、こここここ」

いくら投げてやっても老鶏は動かない、もうほとんど死にかけているのである。

彼もそのことはとっくから知っていた、――実際、ものを喰べなくなればそれで生ものの死期がきたのだ。

彼はあぐねたように太息をつき、それからどかっと腰をおろして遠くのほうを見た、――よく晴れた日で荒地の雑草は活々と伸び、沼や灌漑溝の水は黄昏の光りを浴て鈍く光っていた、彼は両手で膝を抱え、眼を眩しそうに、しかめながら遠い遠い空の