Japanische Klassiker mit Furigana
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とししゅん
蜘蛛の糸・杜子春
Lesen Sie 蜘蛛の糸・杜子春 (とししゅん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.703 Zeichen · 52 Bildschirme
お前なんぞは殺そうと思えば、雛っ仔の頸を絞めるより――」
こう言いかけた婆さんは、急に顔をしかめました。ふと相手に気がついて見ると、恵蓮はいつか窓際に行って、丁度明いていた硝子窓から、寂しい往来を眺めているのです。
「何を見ているんだえ?」
恵蓮は愈色を失って、もう一度婆さんの顔を見上げました。
「よし、よし、そう私を莫迦にするんなら、まだお前は痛い目に会い足りないんだろう」
婆さんは眼を怒らせながら、そこにあった箒をふり上げました。
丁度その途端です。誰か外へ来たと見えて、戸を叩く音が、突然荒々しく聞え始めました。
二
その日のかれこれ同じ時刻に、この家の外を通りかかった、年の若い一人の日本人があります。それがどう思ったのか、二階の窓から顔を出した支那人の女の子を一目見ると、しばらくは呆気にとられたように、ぼんやり立ちすくんでしまいました。
そこへ又通りかかったのは、年をとった支那人の人力車夫です。
「おい。おい。あの二階に誰が住んでいるか、お前は知っていないかね?」
日本人はその人力車夫へ、いきなりこう問いかけました。支那人は楫棒を握ったまま、高い二階を見上げましたが、「あすこですか? あすこには、何とかいう印度人の婆さんが住んでいます」