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Japanische Klassiker mit Furigana

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とししゅん

蜘蛛の糸・杜子春

芥川 竜之介

Lesen Sie 蜘蛛の糸・杜子春 (とししゅん) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.703 Zeichen · 52 Bildschirme

Aozora Bunko

「じゃ私の用なぞは、聞かなくてもわかっているじゃないか? 私も一つお前さんの占いを見て貰いにやって来たんだ」

「何を見て上げるんですえ?」

婆さんは益疑わしそうに、日本人の容子を窺っていました。

「私の主人の御嬢さんが、去年の春行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」

日本人は一句一句、力を入れて言うのです。

「私の主人は香港の日本領事だ。御嬢さんの名は妙子さんとおっしゃる。私は遠藤という書生だが――どうだね? その御嬢さんはどこにいらっしゃる」

遠藤はこう言いながら、上衣の隠しに手を入れると、一挺のピストルを引き出しました。

「この近所にいらっしゃりはしないか? 香港の警察署の調べた所じゃ、御嬢さんを攫ったのは、印度人らしいということだったが、――隠し立てをすると為にならんぞ」

しかし印度人の婆さんは、少しも怖がる気色が見えません。見えないどころか唇には、反って人を莫迦にしたような微笑さえ浮べているのです。

「お前さんは何を言うんだえ? 私はそんな御嬢さんなんぞは、顔を見たこともありゃしないよ」

「嘘をつけ。今その窓から外を見ていたのは、確に御嬢さんの妙子さんだ」