Japanische Klassiker mit Furigana
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Lesen Sie 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) von 室生 犀星 (むろうさいせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.726 Zeichen · 90 Bildschirme
た。寝台にねながら温和しい顔つきでそのガラスの高つきに見惚れる私は、折柄訪ねて来た森茉莉さんにこの夜景を紹介してほめてほしかったが、茉莉さんはこのガラスの容器をくださるのなら、中にうつるくるまの赤色尾灯や街区の交錯ネオンもついでに貰いたいと言われた、硝子という物の好きな茉莉さんはこの病室にはいるとすぐにこの台つき玻璃器を見つけ、眼をこらせると私にどうしてこんな物があるのかと聞かれた。それから後に宮城まり子さんが来たからガラスの台つきはあなたと同じ名の女の人にあげることにしたと言ったら、うん、森さんならいいわ、差し上げて下さいと言った。
地下室にあるコバルト放射室に下りてゆくのが、私には一等つらかった。放射室では八分三十秒の間背中をむき出しにし、うつむきになる苦しい姿勢がたまらなかった。むねを寝台であっぱくされ、枕であごを支え、手にも支えをもたらせても、やりきれない自分の重量で私はうむうむうなった。腕時計をよく見える位置にすえ眼を閉じて、遠い海鳴りに似た機械の音響がはじまると、人のいない厚いコンクリの壁ばかりの十畳二間くらいの放射室に、私は一人きりでいることの奇異の感情があった。