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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

(どっちみち紙帳を、ここで取り戻すことが出来たのは幸福だった)

二人はしばらく黙っていた。

ふと、上の方で、ひそかな物音がした。

栞は、顔を上向けた。紙帳の天井に、楓の葉のような影が二個映ってい、それが、ひそかな音を立てて、あちこちへ移動っていた。小鳥の脚の影らしい。また二個数が増した。もう一羽、紙帳へ停まったらしい。四個の小鳥の脚の影は、やがて紛合った。戯れているらしい。と、二個ずつ離れ、つづいて、意外に高い、でも優しい啼き声が響いて来た。

「テッポ、シチニオイテ、イツツブ、ニシュ」

と、その声は聞こえた。

とたんに、四個の脚の影は消えた。飛び去ったらしい。しかしやや離れたところから、同じ啼き声が聞こえて来た。

「頬白でございますわね」

と栞は云って、眼を細め、左門の顔を見た。

「何んといって啼いたかご存知?」

「さあ」

「『鉄砲質に置いて、五粒二朱』――と、啼いたのですわ」

「ははあ」

「猟にあぶれた猟師が、鉄砲をかついで、山道を帰って来る時、高い木の梢で、ああ啼かれますと、猟師は憤れて来るそうでございます」

「ふ、ふ」

と、左門は、思わず、含み笑いをした。