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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lesen Sie 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.970 Zeichen · 176 Bildschirme

Aozora Bunko

憎悪に充ちた五郎蔵の眼がグッと据わり、厚い唇が開いたと見てとれた瞬間、怒号する声が聞こえて来た。

「憎いは頼母、親の敵に邂逅ったという、義によって助太刀してやったところ、恩を仇に、お浦めをそそのかし、天国の剣を持ち出させたとは何事! 息の根止めずに置かれようか! やア乾児ら、うろうろいたさず、頼母めを討ってとれ! ……おおおお、お浦め、紙帳の中へ引き入れられたまま、いまだに出ぬぞ! ……紙帳の中には左門がいる筈、その左門め、武蔵屋でも、同じ紙帳の中へ、お浦めを引き入れて……許されぬ左門! やア乾児ら、左門めを討ってとれ! ……典膳めの姿が見えぬぞ! 典膳めはどうした? ……俺の過去などと申して、あることないことを云い触らす痩せ浪人! 生かしては置けぬ!」

喚きちらし、地団駄を踏む五郎蔵の心境も、苦しいものに相違なさそうであった。

「やあ汝ら手分けして典膳を探し出せ!」

声に応じて数人の乾児が、木立ちを潜って走って行く姿が見えた。

「やア松五郎!」と怒鳴る五郎蔵の声がまた響いた。「紙帳を窺え! 紙帳の中を!」

外光の中で見る紙帳の気味悪さ!

左門の任侠