Japanische Klassiker mit Furigana
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がいていのようこうろ
街底の熔鉱炉
佐左木 俊郎
Lesen Sie 街底の熔鉱炉 (がいていのようこうろ) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.879 Zeichen · 14 Bildschirme
ほんとに、ほんとに……」
「どうしたの? 小母さん!」
房枝は帯を締めながら玄関の方へ出て行った。
「全く、こんな馬鹿なことってあるもんかね。自分の家を空にして置いて、他人の家の留守をしてさ。それで泥棒に這入られるのも知らずにいるなんて……」
「泥棒が這入ったんですか?」
「泥棒が這入ったの? 小母さん。」
「なんか知らないけど、ちょっとあけて置く間に、長火鉢の下へ隠して置いたお金を、房ちゃんをお世話してもらった分を、みんな持って行ってしまったんですよ。」
「あら! そうですか。それはそれは……」
「房ちゃんと一緒に行きさえしなければ、なんでもなかったのに、本当に困ってしまう。あの人も私が出れば、私の家が空になるってことを知っているくせして、私に、自分の家の留守をさせるなんて……」
「本当だわ。あんまりだわ。」
「私は、埋め合わせをしてもらわなくちゃ。言って見れば、あの人と、房ちゃんのためなんだから、房ちゃんとあの人とに。埋め合わせてもらわなくちゃ……」
「わたしにも? 小母さん!」
「だって、房ちゃんなんか、半日も働きに行きゃあ、きっと五円にはなるんだもの、それぐらいのことはしてくれたって、いいじゃないかね? 私が好きで房ちゃんに従いて行ったわけでもあるまいし、それぐらいのことをしてもらわなくちゃ、全く、こっちが立ち行かなく