Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふくめんのぶとうしゃ

覆面の舞踏者

江戸川 乱歩

Lesen Sie 覆面の舞踏者 (ふくめんのぶとうしゃ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.827 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

私は車を降りると家の中へ駈け込み、書斎にあった、変装用の服のポケットから、その番号札を探し出しました。見ると、そこには横文字で、十七と記されています。ところで、昨夜の私達の番号は、私ははっきり覚えていました。それは十一なのです。分りました。それは井関さんの罪でも、誰の罪でもないのです。私自身の取返しのつかぬ失策なのです。私は井関さんから前以てその札を渡された時、間違わぬようにと、くれぐれも注意があったにも拘らず、よくも見て置かないで、あの会場の激情的な空気の中で、そぞろ心に見たのです。そして1と7とを間違えて、十一番と呼ばれた時に返事をしたのです。でも、ただ番号の間違いくらいから、こんな大事を惹起そうとは、誰が想像しましょう。私は、二十日会などという気まぐれなクラブに加入したことを、今更ら後悔しないではいられませんでした。

それにしても、井上までがその番号を間違えたというのは、どこまでいたずらな運命でしょう。恐らく彼は、私が十一番の時に答えたため、自分の札を十七番と誤信してしまったのでしょう。それに井関さんの数字は、7を1と間違い易いような書体だったのです。