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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやがすてられるせそう

親が捨てられる世相

坂口 安吾

Lesen Sie 親が捨てられる世相 (おやがすてられるせそう) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.326 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

一般の人々から見れば滑稽かも知れんが、実は私なども煎じつめればその程度の設計や方策しか持ち合わせていないのだ。

しかしながら、碁会所の老人のような人に一生の設計が戦争でフイになった場合には、その混乱やヤケは暗く救いのないものであろうが、川崎君が怖れている中風に本当になった場合には、そう暗くはないだろう。彼は己の最も怖れていることに出会わしても平凡に受けいれて順応できるだけの背骨はできているであろうから。

カマボコ小屋の川崎君に比べれば、徳川夢声老の設計は市井人のマトモな生活に即してはいるが、しかし、半生大酒をのみ、時には催眠薬のガブのみの曲芸もやらかすというような、人生の希望というようなものと相当壮烈に、また、徹底的にイタチゴッコをやらかした人は、その心構えの背骨も余人に比して相当シッカリした仁と目すべきであろう。

しかるにその夢声老にしても、お嬢さんがオヨメに行くと、お嬢さんに棄てられて天涯の夢声孤児になったような大そうなハンモン錯乱も致されるようである。そしてついに近来、養老院志願という悲痛な心境に傾きつつある由である。

川崎君も素直であるが、夢声老はさらに素直なのであろう。