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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやはながめてかんがえている

親は眺めて考えている

金森 徳次郎

Lesen Sie 親は眺めて考えている (おやはながめてかんがえている) von 金森 徳次郎 (かなもりとくじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.403 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

それが果して疎開に堪えるであろうか。空襲を受けても、ここの家の方が安全ではあるまいか。色々と妻は心配したが、学校の空気では疎開させねば非国民である。学童疎開は強制的ですらあった。そして先生もついて行くし、食糧事情も確実だから、何一つ心配はないとのことであった。

ついに覚悟をして、あとは母親の熱意で、小さな竹行李と、風呂敷一つに衣類や毛布を包み込んだ。戦争末期の物量不足で、ほんの僅かなものを、しかも一定容量の制限で、夜おそくまで準備している母親の様子を見ると、さすがに私のような呑気者もしんみりしてくる。空襲の危険は刻々増加してきている筈だが、呑気者の私は何一つ準備をしない。書物などを疎開したって、国が滅亡したら何になると大きくかまえていた。

ところが不幸な未必的予感が当って、四月十四日の大空襲が来た。あっという間に四方は火になる。家には、八十五歳で身体不自由の老母があり、女の子などがいる。博雄も八歳である。火につつまれたら逃げ途はない。だから早く逃げられる中に、とっさに難を避けさせた。家は、私一人だけが残って守った。

火を免れる見込がないとなると、私は庭先に穴を掘り出した。