Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「しかしアメリカは羨ましい。小さな町の新聞記者が二十年勤めて百万弗出来たのを機会に引退したそうだよ」
なぞと言い出す。
「彼方は新聞社の俸給が好いんでございましょうね」
とお母さんは耳よりな話だと思う。
「いや、俸給よりは運さ。二十年目にカナダへ行っていた独身者の叔父が死んで遺産がたんまり入ったのだそうだ」
「まあ、本気に聴いていれば人を馬鹿にしていらっしゃいますのね」
「何あに、和洋東西新聞記者で産を為すものがないという教訓さ」
とお父さんは泰然たるものだ。
この間に処して、僕は何とか志を立てなければならない。尤もお伽噺の世界から目覚めたのは僕ばかりでなく、同級生も皆夫れ夫れ世智辛さを覚え始めた。寄ると触ると将来の活動方面を語り合う。
「僕は兄貴が医者だから、矢っ張り医者だ。あれは一番儲かる」
「僕は弁護士が宜い。あれは医者よりも楽で設備が要らないから、一番儲かる」
「東京の復興はここ二十年かかる。して見れば工科へ入って建築をやると一番儲かる」
という具合で、ナカナカ慾張っている。活動のフィルムを交換していた頃とは全然違う。その他一番儲かるものが沢山あるようだが、