Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
三越に限らず、商店員は厭やです」
「会社や銀行は?」
「それも厭やです」
「まあ! それじゃ一体何になる積り?」
「種々と考えていますが、未だ定りません」
「来年は高等学校を受けるんですから、ソロソロ方針を定めて置く必要がありますね。同級の方は大抵会社員でしょう?」
「彼奴等は皆馬鹿です。金が欲しいんです」
「源太郎や、お前考え違いをしちゃいけませんよ。お金だって大切なのよ」
「それは分っています」
「いいえ、分っていないんでしょう? それは無論お金ばかりの世の中じゃありませんが、お金を儲ける人も学問上の新発見をする人も同じように豪いのよ。同じように国家の為めになるのよ。お前は学者や役人ばかり豪いと思っているんでしょう?」
「然うでもありません。実業家にも豪い人はあります」
「ありますとも。本郷の伯父さんは年に五万円から取りますよ。大きな会社の重役だと十五万円から二十万円も取りますからね。大臣は年俸八千円よ。大臣より重役の方が豪いとは言いませんが、豪くないとも言えませんわ。仕事は何をしても宜いんです。職業に上下はありません」
「あるある大にある」
とこの時お父さんがぬっと入って来た。