Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
お母さんは拍子抜けがして、
「あなたは真正に可怪しな人ね」
と恨めしがった。
「子供に入れ智恵をしないでおくれよ」
「オホホホ。あなたこそ甥に悪智恵をつけないで下さいよ」
「恐れ入った」
「それからお願いですから、私が子供に物を教えている時丈けは御冗談をお慎み下さい。母親の威厳がささほうさになってしまいますからね」
「重々悪かった。しかし源太郎や、職業には上等と下等とがある。お前は上等の方をやるんだぞ」
とお父さんが何処までも諢うもんだから、
「それは聴きものですわ。何うして上下がありますか、承わらして戴きましょう」
とお母さんは開き直った。
「つまり職業の内容に上等と下等がある。何うして斯ういう瘤腫を再発しないように切り取ろうかと肝胆を砕く医者は、何うしてああいう財布を発覚しないように擦り取ろうかと苦心する掏摸よりも上等だろう?」
「お言葉の中ですが、掏摸は職業でございましょうか?」
「待っておくれ。何うして品物を安く買い込んで高く売りつけようかと思っている商人は、何うして一国民の思想を善導しようかと考えている聖人よりも下等に相違ない」
「お父さん、お言葉の中ですが、聖人も職業じゃありますまい?」