Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
「そんなこともなかろうが、川口君は実に能く食ったよ。或晩役所の帰りに二人で精養軒へ寄って定食を食ったが、銀座へ出て来ると、先生、甘いものが食いたくなったと言い出した。よろしいと我輩はしるこを附き合ったよ。少時すると、大将、今度は辛いものが欲しいなと謎をかけた。我輩も悟りが早い。川口君の為めに鮨の立食を発起してやった。好いかね。既に定食を食って、しるこを食って、日本橋で鮨を食ったんだぜ」
「盛んなものですな」
「それから腹ごなしに須田町まで歩いたが、今度は期せずして焼鳥屋へ入ってしまった」
「おやおや、未だ足りなかったんですか?」
「これぐらい食ったのが食えなくなったんだから心細い。余程身体が何うかしている。初老だね。矢っ張り、争われないものさ」
と大男は悲観している。
「しかしそれは以前が元気過ぎたからでしょう? 初老になって丁度この頃の私達と同様なんですから、些っとも心配ありませんや」
と若い方は慰めた。
「いや、他にも種々と思い当ることがあるんだよ。例えば昨今は朝早く目が覚める。これが甚だ宜しくない。元来お互人間という奴は怠けものに出来ている。未成品の子供の間は兎に角、大人になれば朝寝坊が本式さ。