Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
」
「へいへい。いやまた家業の方は真面目でございス、捨さん。」
「うむ、」
「出来てるにゃ出来てます、」と膝かけからすぽりと抜けて、行火を突出しながらずいと立つ。
若いものは心付いたように、ハアトと銘のあるのを吸いつける。
五助は背後向になって、押廻して三段に釣った棚に向い、右から左のへ三度ばかり目を通すと、無慮四五百挺の剃刀の中から、箱を二挺、紙にくるんだのを一挺、目方を引くごとく掌に据えたが、捨吉に差向けて、
「これだ、」
「どれ、」
箱を押すとすッと開いて、研澄ましたのが素直に出る、裏書をちょいと視め、
「こりゃ青柳さんと、可し、梅の香さんと、それから、や、こりゃ名がねえが間違やしないか。」
「大丈夫、」
「確かね。」
「千本ごッたになったって私が受取ったら安心だ、お持ちなせえ、したが捨さん、」
「なあに、間違ったって剃刀だあ。」
「これ、剃刀だあじゃあねえよ、お前さん。今日は十九日だぜ。」
「ええ、驚かしちゃあ不可え、張店の遊女に時刻を聞くのと、十五日過に日をいうなあ、大の禁物だ。年代記にも野暮の骨頂としてございますな。しかも今年は閏がねえ。」
「いえ、閏があろうとあるまいと、今日は全く十九日だろうな。