Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
あら、どうも飛でもない、火をお吹きなすっちゃあ不可ません、飛でもない。」
と什麼こうすりゃ何とまあ? 花の唇がたちまち変じて、鳥の嘴にでも化けるような、部屋働の驚き方。お若は美しい眉を顰めて、澄して、雪のような頬を火鉢のふちに押つけながら、
「消炭を取っておいで、」
「唯今何します、どうも、貴下御免なさいましよ。主人が留守だもんですから、少姐さんのお部屋でついお心易立にお炬燵を拝借して、続物を読んで頂いておりました処が、」
「つい眠くなったじゃあないか、」とお若は莞爾する。
「それでも今夜のように、ふらふら睡気のさすったらないのでございますもの。」
「お極だわ。」
「可哀相に、いいえ、それでも、全く、貴下が戸をお叩き遊ばしたのは、現でございましたの。」
「私もうとうとしていたから、どんなにお待ちなすったか知れないねえ。ほんとうに貴下、こんな晩に帰しますような処へは、もういらっしゃらない方が可うございますわ。構やしません、そんな遊女は一晩の内に凍砂糖になってしまいます。」と真顔でさも思い入ったように言った。お若はこの人を廓なる母屋の客と思込んだものであろう。
「私は、そんな処へ行ったんじゃあないんです。