Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「お隠し遊ばすだけ罪が深うございますわ、」

「別に隠しなんぞするものか。

しかし飛んだ御厄介になりました、見ず知らずの者が夜中に起して、何だか気が咎めたから入りにくくッていたんだけれど、深切にいっておくんなさるから、白状すりや渡に舟なんで、どうも凍えそうで堪らなかった。」

と語るに、ものもいいにくそうな初心な風采、お杉はさらぬだに信心な処、しみじみと本尊の顔を瞻りながら、

「そう言えばお顔の色も悪いようでございます、あのちょうど取ったのがございますから、熱くお澗をつけましょうか。」

「召あがるかしら、」とお若は部屋ばたらきを顧みて、これはかえってその下戸であることを知り得たるがごとき口ぶりである。

「どうして、酒と聞くと身震がするんだ、どうも、」

と言いながら顔を上げて、座右のお杉と、彼方に目の覚めるようなお若の姿とを屹と見ながら、明い洋燈と、今青い炎を上げた炭とを、嬉しそうに打眺めて、またほッといきをついて、

「私を変だと思うでしょう。」

十七

「自分でも何だか夢を見てるようだ。いいえ薬にも及ばない、もう可いんです。何だね、ここは二上屋という吉原の寮で、お前さんは、女中、ああ、そうして姉さんはお若さん?」