Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうもんちょう
註文帳
泉 鏡花
Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme
議論をしたっておッつかない。吹雪じゃアあるし、何でも可いから宅まで曳いてッておくれ、お礼はするからと、私も困ってね。
頼むようにしたけれど、ここまで参ったのさえ大汗なんで、とても坂を上って四ツ谷くんだりまでこの雪に行かれるもんじゃあない。
箱根八里は馬でも越すがと、茶にしていやがる。それに今夜ちっと河岸の方とかで泊り込という寸法があります、何ならおつき合なさいましと、傍若無人、じれッたくなったから、突然靴だから飛び下りたさ。」
二人使者
十八
欽之助は茶一碗、霊水のごとくぐっと干して、
「お恥かしいわけだけれど、実は上野の方へ出る方角さえ分らない。芳原はそこに見えるというのに、車一台なし、人ッ子も通らない。聞くものはなし、一体何時頃か知らんと、時計を出そうとすると、おかしい、掏られたのか、落したのか、鎖ぐるみなくなっている。時間さえ分らなくなって、しばらくあの坂の下り口にぼんやりして立っていた。
心細いッたらないのだもの、おまけに目もあてられない吹雪と来て、酔覚じゃあり、寒さは寒し、四ツ谷までは百里ばかりもあるように思ったねえ。