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Japanische Klassiker mit Furigana

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ろんごものがたり

論語物語

下村 湖人

Lesen Sie 論語物語 (ろんごものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.688 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

」

彼は、云ってしまって、孔子がどんな顔をするか心配になった。自分のことに捉われ過ぎると思われはしないか、それが気になったのである。

しかし孔子の顔は極めて平静だった。そして無造作に答えた。

「お前は器じゃ。」

子貢は自分の耳を疑った。「器」という言葉は孔子が人物を批評する場合、これまでにもおりおり使った言葉である。それは大していい意味のものではなかった。先ず「才人」とか、「一芸一能に秀でた人」とかいった程度の意味である。「5君子は器であってはならない。」――そんな事を云って、孔子はよく門人を戒めたものである。その「器」が自分に対する批評の言葉として投げられたのだから、子貢が案外に思ったのも無理はない。

孔子は、しかし、あくまで平静だった。あたりまえの事を、あたりまえに云ったに過ぎない、と云ったような顔をしていた。

子貢はがっかりした。恥かしくもあった。一種の憤りをさえ感じた。出来れば一刻も早く孔子の前を退きたいと思った。しかし、また、このまま引きさがるのもきまりが悪いような気がした。彼は進むことも退くこともできずに、蒼い顔をして孔子の顔を見つめていた。