Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろんごものがたり

論語物語

下村 湖人

Lesen Sie 論語物語 (ろんごものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.688 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし、耳順う境地に達するまでは、わしの行為の尺度の目盛は、どうやら精密を欠いていたようじゃ。同じく一尺の尺度たるに変りはなかったが、一寸一分の目盛の切り方には、わしの主観がまじっていた。わしの迷わざる生活目標、わしの感じ得た天命の中に、わしの私心が仂いて、こまかな目盛をわしの好きなように勝手に切っていたのじゃ。ところが耳順い、一切の真をありのままに捉えて、その目盛を正して見ると、わしの行為は、容易にその目盛にきちんと合って来ないのじゃ。わしのねらっている大目標に誤りはない、また、わしの辿って行く道程も正しい。しかし、一歩々々の足の踏み方には我ままがあり、無駄がある。それを正そうとしても、自分の足がなかなか自分の意の通り動かない。これではならぬと思った。これでは親孝行をするために盗みをするのと大した変りはないと思ったのじゃ。そして努めに努めた結果、自分の欲するままに足を動かしても、正しい目盛にきっちり合うようになったのが、やっと七十歳になってからの事であった。わしが、のびのびとした心の自由さを味うことが出来るようになったのは、それ以来のことじゃ。