Japanische Klassiker mit Furigana
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とんぐん
豚群
黒島 伝治
Lesen Sie 豚群 (とんぐん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.277 Zeichen · 15 Bildschirme
「おい、皆目、追い出す者はないが、……宇一の奴、ほんとに裏切りやがったぞ!」
と、小屋の中の健二に呼びかけた。
「まだ二十匹も出ていないが……。」
「ええ!」健二は自分の豚を出すのを急いだ。
「佐平にも、源六にも、勘兵衛にも出さんが、おい出て見ろ!」留吉はつゞけて形勢が悪いことを知らせた。「これじゃ駄目だ!」
少くともこういうことは、皆が一勢にやらなければ成功すべきものではない。少数ではやった者がひどいめにあうばかりだ。それだのに村の半数は出していないらしい。
健二は急いで小屋の外へ出て見た。丘から谷間にかけて、四五匹の豚が、急に広々とした野良へ出たのを喜んで、土や、雑草を蹴って跳ねまわっているばかりだ。
「これじゃいかん!」
「宇一め、裏切りやがったんだ!」留吉は歯切りをした。「畜生! 仕様のない奴だ。」
今、ぐず/\している訳には行かなかった。執達吏は、もう取っ着きの小屋へ這入りかけていた。健二と留吉とは夢中になって、丘の細道を家ごみの方へ馳せ降りて行った。
三人の執達吏のうち、一人は、痩せて歩くのも苦しそうな爺さんだった。他の二人はきれいな髭を生した、疳癪で、威張りたがるような男だった。