Japanische Klassiker mit Furigana
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とんぐん
豚群
黒島 伝治
Lesen Sie 豚群 (とんぐん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.277 Zeichen · 15 Bildschirme
彼等が最初に這入った小屋には、豚は柵の中に入ったまゝだった。彼等は一寸話を中止して、豚小屋の悪臭に鼻をそむけた。
それまで、汚れた床板の上に寝ころんで物憂そうにしていた豚が、彼等の靴音にびっくりして急に跳ね上った。そして荒々しく床板を蹴りながら柵のところへやって来た。
豚の鼻さきが一寸あたると柵はがた/\くずれるように倒れてしまった。すると豚は柵の倒れた音で二重に驚いて、なおひどくとび上った。そうしてその拍子にとび/\しながら柵から外へ出た。三人の、大切な洋服を着た男は、糞に汚れた豚に僻易して二三歩あとすざりした。豚は彼等が通らせて呉れるのをいゝことにして外へ出てしまった。
一匹が跳ね、騒ぎだしたのにつれて、小屋中の豚が悉く、それぞれ呻き騒ぎだした。そうして、柵を突き倒しては、役人の間を走りぬけて外へ出た。きれいな髭の男は、やっと、この豚どもを逃がしてはならないことに気づいて、あとから白い手を振り上げて追っかけた。追っかけられると、豚はなお向うへ馳せ逃げた。
「チェッ! 仕様がない。」洋服の男は、これは百姓に入れさせればいゝつもりで、苦々しい笑いを浮べ乍ら次の小屋へやって行った。