Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かいのあなにかっぱのいること

貝の穴に河童の居る事

泉 鏡花

Lesen Sie 貝の穴に河童の居る事 (かいのあなにかっぱのいること) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.260 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

杖の尖が、肩を抽いて、頭の上へ突出ている、うしろ向のその肩が、びくびくと、震え、震え、脊丈は三尺にも足りまい。小児だか、侏儒だか、小男だか。ただ船虫の影の拡ったほどのものが、靄に沁み出て、一段、一段と這上る。……

しょぼけ返って、蠢くたびに、啾々と陰気に幽な音がする。腐れた肺が呼吸に鳴るのか――ぐしょ濡れで裾から雫が垂れるから、骨を絞る響であろう――傘の古骨が風に軋むように、啾々と不気味に聞こえる。

「しいッ、」

「やあ、」

しッ、しッ、しッ。

曳声を揚げて……こっちは陽気だ。手頃な丸太棒を差荷いに、漁夫の、半裸体の、がッしりした壮佼が二人、真中に一尾の大魚を釣るして来た。魚頭を鈎縄で、尾はほとんど地摺である。しかも、もりで撃った生々しい裂傷の、肉のはぜて、真向、腮、鰭の下から、たらたらと流るる鮮血が、雨路に滴って、草に赤い。

私は話の中のこの魚を写出すのに、出来ることなら小さな鯨と言いたかった。大鮪か、鮫、鱶でないと、ちょっとその巨大さと凄じさが、真に迫らない気がする。――ほかに鮟鱇がある、それだと、ただその腹の膨れたのを観るに過ぎぬ。実は石投魚である。