Japanische Klassiker mit Furigana
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まけないおとこ
負けない男
佐々木 邦
Lesen Sie 負けない男 (まけないおとこ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.799 Zeichen · 202 Bildschirme
「冗談言っちゃいけないよ」
「え?」
「一体、君は誰にそんな智恵をつけられたんだい?」
と奥田君は頭から扱き下した。
「厳しいんだね」
「僕は全然反対だよ」
「ふうむ」
「勤まらないと言ったのは恒産があるからじゃない。君はあってもなくても勤まらない」
「何故だろう?」
「然ういう性格だから仕方がない」
「全然落第だね」
「差当りはむずかしい。年を取れば世の中ってものが分って来るだろうが、今のところは直情径行に過ぎると思う。現にこの相談が君の性格を物語っている」
「君は老成人だよ」
「それがいけない」
「いや、冷かしたんじゃない。本当だ」
「本当に然う思うなら、僕の言うことを聴き給え」
「何うするんだい?」
「子を見ること親に若かず。君の父は君の性格を知っているから食える丈け分けてくれるのさ。君はあって勤まらないと思うなら、あっても、ない積りでかゝれば宜い」
「成程」
「君のことだから、十万円がいつまでも十万円じゃいない。ダン/\へって、その中に理想通りになるんだから、急ぐことは些っともない」
「恐れ入った」
「それまでには随分揉まれるだろうから、圭角が取れて勤まるようになる。修業の積まない中に辞退したんじゃ実際路頭に迷うかも知れないぜ」