Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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まずしきひとびとのむれ

貧しき人々の群

宮本 百合子

Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme

Aozora Bunko

道傍のくさむらの中には、蛇いちごが赤く実り、野薔薇の小さい花が傍の灌木の茂みに差しかかって、小虫が露にぬれながら這っている。

桑の若葉の葉触(ず)れの音。

勇ましく飛び立つ野鳥の群。

すべては目醒め動いている。

何という好い朝だろう!

私は、喜びに心を躍らせながら歩いて行った。畑地を越え、草道を通り、暫くすると私は村にただ一つの小学校のそばに出た。

そこではもう授業が開始されていて、狭い粗末な教室の中には、小さく色の黒い子供が僅かずつつまっているのが、外から見える。

私は誰一人いない庭の芝草の上に坐りながら自分の小学校時代を思い出した。種々の思い出が、沢山な友達の面影や教師の様子などをはっきりと思い浮ばせたのにつれて、ちょうど四年ぐらいの時分、ここへ来るとよくこの学校のオルガンを借りたことを思い出した。

あそこいらの部屋らしかったと思いながら、一人の子供が立ったきり答に窮してぼんやり黒板を見ている教室の中を眺めていた。

すると、だんだん記憶がよみがえってくるにつれて、最初に自分がオルガンを借りたときの様子がありありと心に帰ってきたのである。

私はそのとき、白い透き通るリボンで鉢巻のようにし、うす緑色の着物を着ていた。