Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まずしきひとびとのむれ

貧しき人々の群

宮本 百合子

Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、非常に突出した、瞬きをすることの少い目玉を据えて、私を見ているような位置になった。

私も彼を見ていた。私はほんとに注意して、観ていたのである。

そうすると、だんだん彼の顔付が凄くなって、仕舞いには、「彼の感じ」がそろそろと私の顔に乗り移って来たような気持がして来た。

もう、私は意地も我慢もなくなった。そして、一散走りに家へ帰ると、力一杯顔を洗い、鏡を見つめて、ようよう気が休まったのである。

最初の試みは、私の例の幻覚ですっかり失敗してしまった。けれども、それから二度目三度目になると少しずつ彼に馴れて来た。

が、やはりだまったまま一緒に立っているか、何か云って彼の注意力をためして見るばかりで、一向進むことはない。

私は彼の囲りを、堂々廻りしているような工合であった。

善馬鹿の子に対しては、全く何も出来なかったけれども、他のことは少しずつ好い方に向いて行った。

足の裏の腫物のために悩んでいた百姓は、町の医者に掛って癒った。

桶屋の娘へは、ときどき牛乳だの魚だのを持たせてやった。

そして、ほんとに下らないことではあるが、癒った男が畑に出ているのを見たり、甚助の子供が、遣った着物を着ているのを見たりすることは、むしょうに嬉しかった。