Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
Lesen Sie 赤い貨車 (あかいかしゃ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.168 Zeichen · 71 Bildschirme
パーヴェル・パヴロヴィッチが書斎のようにしていた小室へ、先週大工が来て棚を作った。その室をアンナ・リヴォーヴナは男に見せた。壁をとおしてナースチャのところへ話が聞えた。
「ちょっと失礼、この寝台はこっちの壁へつけた方が勝手なように思われますな」
「それはどうぞ御勝手に、わたしどもあなたが居心地よくていらっしゃればなによりなんですから」
床の上をすべるような気ぜわしい靴の音。
「ごめん下さい、こっちは台所ですか」
「ええ、ですけれど」
アンナ・リヴォーヴナがいそいで答えた。
「決しておじゃまはさせません。朝はどうせあなたと御一緒時分ですし、わたしども夜だって早いんですから」
「それは結構。……もう一分間どうぞおじゃまさせて下さい。あなたんところに大きな絨毯はありませんか」
男を送り出すとアンナ・リヴォーヴナは頭をふりふり食堂へ戻った。夜、リザ・セミョンノヴナのところへ茶を運んだ時、ナースチャは、
「聞いて下さい。リザ・セミョンノヴナ」
例の、もう散らかりかけている小机の隅へ膝をついた。
「今日、なんて男が室を借りに来たか! なにか云うたんびに一々ちょっと失礼だの、ごめんなさいだのくっつけるんですよ、そのくせ、机が二寸長すぎてもいけないんだって!」