Japanische Klassiker mit Furigana
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あかいらくだ
赤い駱駝
梅崎 春生
Lesen Sie 赤い駱駝 (あかいらくだ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.820 Zeichen · 24 Bildschirme
しかし部屋まで連れてくると、あいつは急におとなしくなった。そして椅子にかけて、従兵がもってきた水でだまって鎮静剤をのんだ。おれも椅子にかけてあいつの顔をながめていると、あいつはゆっくり立ち上って、おれの前に立ちふさがった。
「貴様。まだ何かかくしてるな」
二見は低いしゃがれた声でそう言った。視線は定まらぬように動揺しているが、眉はくらく翳っていた。
「何もかくしていない」
逆らわないように、おとなしくおれは答えた。すると二見はうなずいて、部屋のすみにゆき、寝台の縁に腰をおろして、頭をかかえた。しばらくそれを見とどけて、おれは自分の居室にもどってきた。
翌日の暁方、おれは二見の従兵に烈しくゆり起されたんだ。おれはぎょっとして眼覚めた。
「出撃の時刻はいつか、そう聞いてこいと、しつこく言われますので――」
「出撃?」
おれはなにか不吉なものを感じて起き直った。そして急いで服をつけた。
「二見は昨夜ねむったのか?」
「あの薬はあまり利かなかったようです」
人気のない暗い通路をおれたちは急いだ。しかしそれは間に合わなかったんだ。二見は卓でうつぶせになって、そこら中血だらけになっていた。