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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.351 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

――あたしいいおかみさんになるわ。

およのはそう云って、しおらしく眼を伏せた。藤吉は「梅本」の主人夫婦にも話して、その縁談をまとめた。それから猪之にそのことを知らせると、彼はべそをかくような笑いかたをして、ありがてえ、と云った。

――おいどうしたんだ。

話はきまったんだぜ、嬉しかあねえのか、と藤吉は訊いた。

――ありがてえって云ってるじゃねえか、ありがてえよ、ほんとだぜ。

――わかったよ。

藤吉は猪之の顔を見まもりながら、なんの理由もないのに、背筋がひやっとするのを感じた。

「年が明けたら祝言をしよう、ということになりましたが」と藤吉は云った、「正月の松が取れるとすぐ、あっしは水戸へゆくことになった、水戸の相模屋という、海産物商の隠居所を建てる仕事で、大工、左官、建具屋など、二十人ばかりの職人を使うことになったんです、その下準備ができて、江戸を立つ三日まえのことでしたが、猪之が急におれも伴れていってくれと云いだしました」

もう人選びはきまったからだめだ、頭梁が許しゃあしないと云いながら、ようすを見るとどうもおかしい。なにかあったのか、と藤吉は訊いた。