Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.113 Zeichen · 35 Bildschirme
「私をべつにすることはない」と去定は答えた、「おまえさんの云うとおり、医者にも薬にもたいした差別はないというのが事実だ、名医などという評判を聞いて高い薬礼を払ったり、効能も知れぬ薬を買いあさったりするのは、泥棒に追い銭をやるよりばかげたことだ――なにかそのほかに訊きたいことがありますか」
「これはどうも、御機嫌を損じたようでございますな」
「いやなかなか」と去定は立ちあがりながら笑った、「このくらいのことで肚を立てるようでは、金持のたいこ医者が勤まるものではない、その懸念は御無用」
外へ出るとすぐに、去定は「吝嗇漢」と云って唾を吐いた。それから三軒廻ったのだが、機嫌の直るようすはなかった。登もこれまで外診の供をしていて、去定がそんなことを云われるのを見た例はなかった。町家はいうまでもなく、大名諸侯でさえ、相当以上の礼をつくして迎えるのがつねであった。
――ひどいやつがあったものだ。
徳兵衛の皮肉な、そらとぼけた口調や、色艶の悪い顔にうかべた卑しい表情などを思い返すと、登もまた睡を吐きたいような、いやな気持になるのであった。
六軒めの回診が終って出たとき、去定は空を見あげて、「さて」