Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme
と卯兵衛が云った、「うわばみみてえな恰好をしてやがっておきぬもすさまじい、そのうちに刃物沙汰でも起こりゃしねえかと、こっちはびくびくものですぜ」
おきぬの身辺は複雑であった。
彼女は千住で勤めているうち、深い馴染客が三人できた。その一人と夫婦約束をしたのであるが、年期があけても、その男にはまだ世帯を持つ力がない。そこで留吉という客をうまく騙し、彼の囲い者というかたちで、この長屋に家を持った。留吉は池之端七軒町で畳屋をやっており、年も五十二か三になるが、珍らしいほど人の好いうえに、こんな長屋に囲っておくということで、すっかり女に押えられている。しょうばいのほうもあまり景気はよくないようだが、女の我儘には逆らえず、いろいろくめんしては金や物を運んでいる。女はそれをもう一人の、夫婦約束をした男に貢ぐのだが、留吉は少しも感づいていないという。その片方の男は遊び人ふうで、年も女より五つ六つ若く、ちんと手洟をかむところなどはなかなかあくぬけがしていた。おきぬはそれが大自慢で、「うちの人」などと相長屋の人たちにのろけているが、どこに住んでいるかも、職業も、名前さえも口にしたことがない、「うちの人」