Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme
いちどなどは屋根の上から呼びかけたので、案内に立っていた差配の卯兵衛が叱りつけた。
「そんなところからなんだ、弥助だな、このばか野郎」と卯兵衛はどなった、「屋根の上から先生に声をかけるという法があるか、馬方をしていたってそのくらいの礼儀は知っているだろう、おりて来い」
「屋根が飛んじまうがいいかい」
「屋根がどうしたと」
「この風だよ、うへえ」と屋根の上の男がどなり返した、「怒っちゃいけねえよ、差配さん、いまのうへえってのはおまえさんの名めえじゃあねえ、おそれいったときの合の手だからね、うへえ」
「ふざけるなこの野郎」
「あがって来てみな、わかるから」と屋根の上の男がどなった、「この屋根は半刻もめえからばきばきいってるんだ、おれがこうして重石になってるからいいようなもんの、おれがどいてみねえ、いっぺんにひん捲くられて飛んでっちまうから」
去定が笑って云った、「弥助、するとおまえは、風のやむまでそこにそうやっているつもりか」
「どうもしようがねえ」と屋根の上の男が云った、「店賃が溜ってるし、この長屋を出るあてもねえんだから、まあ、わっちのことはしんぺえしねえでおくんなさい、先生」