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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

午すぎに、隣りのおけいという女房が、五郎吉の家でへんな呻き声や、子供の暴れるような物音を聞きつけ、それから大騒ぎになったのであった。

「しかしどうして」と登が箸を置きながら訊いた、「急にそんな、一家心中などをする気になったのだろう」

「わかりませんな」と卯兵衛はあっさり答えた、「こういうくらしをしている人間は、死にたくなるような理由を山ほど背負ってますからな、まったくひどいもんです、ちょっとしたきっかけさえあれば、すぐにでも死にそうな人間が幾らもいますよ」

登は食事の礼を述べて、立とうとしてふと思いだした。

「あの孝庵という医者はここへ寄らなかったろうか」

「寄りました」と卯兵衛は顔をしかめた、「薬礼は誰が払うかって、たしかめに来たんですが、病人のことはなんにも云わねえ、薬礼はこれこれ、いつ誰が払うかってね、急場でしょうがねえから頼んだんだが、――匙かげんはへたくそだが、銭勘定だけはうめえって、この辺では評判の医者なんです」

「そんなことはない、いい手当だった」と登は云った、「あれだけの処置を手早くやれるのは珍らしい、悪く云うのは間違いだよ」

登は外へ出た。