Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme
四人の子の遺骨を持って、どこへいくとも云わず、世話になった礼廻りをすると、夫婦でより添うようにしてたち去ったということだ。養生所の印をついた届書と、差配や長屋の人たちの口書とで幸い町方のほうは咎めなしに済んだが、それには一つの代償を払わなければならなかった。――というのは。
或る日、「伊豆さま裏」を通りかかって、ふと十兵衛をみまう気になり、差配の家に寄ると、「卯兵衛は内職のことで、十兵衛のところへいった」という。それで路地へはいっていくと、向うから来た女が声をかけた。見るとおきぬなので驚いたが、例のとおり厚化粧をし、小さな赤毛の髷から、安油の匂いをぷんぷんさせながら、彼女は満面に媚を湛えて頬笑みかけた。
「あら先生、お久しぶり」とおきぬは嬌かしく云った、「よく御精が出ますことね、あたしもこのところ、また頭痛が続いて困ってるんですの、いちどぜひうちへ来て――」
登は聞きながして歩きだしたが、毒のある毛虫にでも触ったように、躯じゅうがちくちくするほどのいやらしさと、嫌悪感におそわれた。十兵衛の家へいくと卯兵衛がいたので、いまおきぬに会ったことを告げ、「まだ此処にいたのか」