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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.146 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

長崎へゆくまえに逢ったときの、色濃い嬌しさや、眩しいほど華やかな美貌は、殆んどあとをとどめない。眉をおとし、歯を染めているためもあろうが、男との世間を忍ぶ生活や、子を産んだことが、そのように彼女を変えた事に相違ない。極めて平凡な、どこにでもみかける世話女房、といったその姿を眺めていると、登は重い荷をおろしでもしたようにほっとし、はっきりした意味もなく「よかった」これでよかった、と心の中で云った。

「ちぐささんですね」と登は静かな声で呼びかけた、「お子さんができたと聞きましたが、お達者ですか」

「はい」とちぐさが喉声で低く答えた、「このあいだ無事に麻疹を済ませました」

「そうですか」と登は云った、「おめにはかかりませんが、御主人によろしく仰しゃって下さい」

「それでいい」と天野源伯がちぐさに云った、「もうさがっておいで」

ちぐさは辞儀をして去った。

「よく堪忍してくれた、登どの」と云って、源伯は登に目礼をした、「ばかな親だと思うだろうが、どうしてもこなたの許しが得たかった、これで私もあれに出入りさせられるし、孫を抱くこともできる、かたじけない」

登は会釈を返してまさをを見た。