Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
「白丘ダリア。いま汝を逮捕する」
「あたしを逮捕するって、冗談はよして下さい」
「まだ白っぱくれているな。吾々の眼はもう胡魔化されんぞ。白丘ダリアが嫌いだったら、『赤外線男』として汝を捕縛する。それッ」
ワッと喚いて、選りぬきの腕に覚えのある刑事が、ダリアの上に折り重なった。もう遁げる道もなければ、方法もなかった。
「赤外線男」は、それっきり自由を奪われてしまった。
* * *
事件が一段落ついた後の或る日、筆者は南伊豆の温泉場で、はからずも帆村探偵に巡りあった。彼は丁度事件で疲れた頭脳を鳥渡やすめに来ていたところだった。仄かに硫黄の香の残っている浴後の膚を懐しみながら、二人きりで冷いビールを酌み交わした。そのとき彼の口から、この事件の一切の顛末を聞くことが出来たのだった。彼は中学校で同級だったときのあの飾り気のない口調で、こんな風に最後の解決を語った。
「『赤外線男』が白丘ダリアといったんでは、警官の中にも本気にしない人があった位だよ。しかし要点を云うとネ、元々『赤外線男』という名称は、殺された深山理学士がつけたものなのだ。彼は『赤外線男』